【相対論】合成速度の導出


特殊相対性理論で出てくる、速度の合成則の導出方法を書いておきます。
いろんなサイトや教科書に載っていると思いますが。。(^^;

問題設定


1次元で考えます。
今、慣性系 \(K_0\) に対して速度 \(V_1\) で運動している慣性系 \(K_1\) があるとします。
\(K_1\) から見て速度 \(V_2\) で運動している物体 \(K_2\) は、\(K_0\) から見るとどれだけの速度で運動しているように見えるでしょうか?

結論

$$V=\frac{V_1 + V_2}{1 + \frac{V_1 V_2}{c^2}} \tag{1}$$

です。また、これを変形した

$$V_2=\frac{V – V_1}{1 – \frac{V V_1}{c^2}}$$

もよく使われます。

ちなみにガリレイ変換は
$$V=V_1 + V_2 \tag{2}$$で、(1) で \(\frac{V_1 V_2}{c^2} \ll 1\) のときちゃんと (2) になっています。

(1)式導出の方針

\(K_0\) から \(K_2\) へのローレンツ変換(厳密にはローレンツ・ブースト)は下記の形で書けるはずです。
$$
\left(\begin{array}{c}
ct_2 \\ x_2
\end{array}\right)
=
\gamma \begin{pmatrix} 1 & -\beta \\ -\beta & 1\end{pmatrix}
\left(\begin{array}{c}
ct_0 \\ x_0
\end{array}\right) \tag{3}$$(導出方法はこちら

今知りたい \(V\) は、この式に潜む \(\beta = \frac{V}{c}\) の \(V\) です。

\(K_0 \to K_1 \to K_2 \) の2段階にローレンツ変換した式と (3) を比較すればその \(V\) が求まります。

導出

$$\beta_1=\frac{V_1}{c}, \ \beta_2=\frac{V_2}{c}, \ \gamma_1=\frac{1}{\sqrt{1-{\beta_1}^2}}, \ \gamma_2=\frac{1}{\sqrt{1-{\beta_2}^2}}$$とします。

まず \(K_0\) から \(K_1\) へのローレンツ変換は、
$$
\left(\begin{array}{c}
ct_1 \\ x_1
\end{array}\right)
=
\gamma_1 \begin{pmatrix} 1 & -\beta_1 \\ -\beta_1 & 1\end{pmatrix}
\left(\begin{array}{c}
ct_0 \\ x_0
\end{array}\right) \tag{4}$$同様に \(K_1\) から \(K_2\) へのローレンツ変換は
$$
\left(\begin{array}{c}
ct_2 \\ x_2
\end{array}\right)
=
\gamma_2 \begin{pmatrix} 1 & -\beta_2 \\ -\beta_2 & 1\end{pmatrix}
\left(\begin{array}{c}
ct_1 \\ x_1
\end{array}\right) \tag{5}$$(4)を(5)に代入して \(ct_1\) と \(x_1\) を消去すると
\begin{eqnarray}
\left(\begin{array}{c}
ct_2 \\ x_2
\end{array}\right)
&=&
\gamma_1 \gamma_2 \begin{pmatrix} 1 & -\beta_2 \\ -\beta_2 & 1\end{pmatrix}
\begin{pmatrix} 1 & -\beta_1 \\ -\beta_1 & 1\end{pmatrix}
\left(\begin{array}{c}
ct_0 \\ x_0
\end{array}\right) \\
&=&
\gamma_1 \gamma_2 \begin{pmatrix} 1+\beta_1 \beta_2 & -\beta_1 -\beta_2 \\ -\beta_1 -\beta_2 & 1+\beta_1\beta_2\end{pmatrix}
\left(\begin{array}{c}
ct_0 \\ x_0
\end{array}\right) \tag{6}\end{eqnarray}(3)と(6)は一致するはずなので比較します。

(3)と(6)の右辺の1行1列の要素を比較すると、
$$\gamma = \gamma_1 \gamma_2 (1 + \beta_1 \beta_2)$$両辺2乗して
$$\frac{1}{1- \left(\frac{V}{c}\right)^2}=\frac{1}{1- \left(\frac{V_1}{c}\right)^2}\frac{1}{1- \left(\frac{V_2}{c}\right)^2} \left( 1+\frac{V_1 V_2}{c^2}\right)^2$$逆数をとって
$$1- \left(\frac{V}{c}\right)^2 = \frac{\left\{1- \left(\frac{V_1}{c}\right)^2\right\} \left\{1- \left(\frac{V_2}{c}\right)^2\right\} }{\left( 1+\frac{V_1 V_2}{c^2}\right)^2}$$\begin{eqnarray}\left(\frac{V}{c}\right)^2 &=&1-\frac{\left\{1- \left(\frac{V_1}{c}\right)^2\right\} \left\{1- \left(\frac{V_2}{c}\right)^2\right\} }{\left( 1+\frac{V_1 V_2}{c^2}\right)^2} \\
&=& \frac{\left( 1+\frac{V_1 V_2}{c^2}\right)^2 – \left\{1- \left(\frac{V_1}{c}\right)^2\right\} \left\{1- \left(\frac{V_2}{c}\right)^2\right\}}{\left( 1+\frac{V_1 V_2}{c^2}\right)^2} \\
&=& \frac{(V_1 + V_2)^2}{c^2 \left( 1+\frac{V_1 V_2}{c^2}\right)^2}
\end{eqnarray}よって
$$V = \frac{V_1 + V_2}{ 1+\frac{V_1 V_2}{c^2}}$$となり(1)が導けました。

光速不変の確認

(1)の \(V_2\) に \(c\) を代入してみると、
$$V=\frac{V_1 + c}{ 1+\frac{V_1 c}{c^2}} = c \frac{1+V_1}{1+V_1} = c$$となります。

これは、\(K_1\) から見て速度 \(c\) の物体 \(K_2\) は、\(K_0\) から見た速度も \(c\) であることを表しています。


参考:https://ja.wikibooks.org/wiki/%E7%89%B9%E6%AE%8A%E7%9B%B8%E5%AF%BE%E8%AB%96_%E9%80%9F%E5%BA%A6%E3%81%AE%E5%90%88%E6%88%90%E5%89%87






  


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